｢普通｣とは何なのか

私は今までの人生で

友達を沢山作り沢山外で遊ぶ事 が｢普通｣

外に出て仲間と切磋琢磨し仕事をこなす事 が｢普通｣

結婚して子供を産み育てる事 が｢普通｣

老後は子供や孫たちの成長を見守る事 が｢普通｣

他にも色々あるけれど

それらの事が当たり前で普通なのだと思っていた

だから私自身が  人と話す事が苦手でも

一緒に仕事するのがとても苦痛でも

｢皆がやっていて当たり前｣なのだと言い聞かせていた

しかしそれを続けていたら

毎朝吐きながら仕事に向かう日が増えた

私はそれを素直に親へ言えなかった

｢気持ちが弱いからじゃ？｣｢馬鹿なの？｣など

普段から罵倒で会話を始める親だ

みんなから初めての就職おめでとうと言われ

辞めたいを表明するのが後ろめたかった

それが原因か分からないが

通勤途中に事故を起こした時もあった

その後仕事を変えてみたがダメだった

今度は大丈夫だと言い聞かせ1年は居たが

嫌がらせやセクハラまがいの事に耐えられなかった

誰かに相談すれば良かったのかも知れないが

相談できる相手がいなかった

そうして私は全てを諦めた

仕事を鬱で休職しますと届け出てそのまま

本気で死のうとしたが、やはり怖かった

スマホの履歴を見ていたら祖母の名が目に止まり

私は人生で初めて祖母の家へ｢逃げた｣

朝起きてちゃんとご飯を食べる

身嗜みを整える

祖父と一緒にテレビを見る

最初はどれもまともに出来なかった

当たり前だと思っていた事をしようとすると

体が鉛のように重たく布団から起き上がれなかった

またいつか、外で働かなくてはならない

そう思うだけで全身が動けなくなる

仕事を辞めてから今年で2年が経つ

未だに人間が怖い

今まで自分に嘘をついてきたせいで

生き方が分からないままだ

｢人間が苦手な私の生き方｣を見付けられない

難しく考えすぎなんだよ、と言われそうだが

何が難しいかも分からない

｢普通｣だと思っていた事が

時代の変化や自分の置かれている状況で

こんなにも達成が困難だと思ってもいなかった

ゆっくり方法を探そうと思っても

時間はどんどん過ぎていく

これから先私の｢普通｣はどう変化していくのだろうか